野球やサッカーだけでなく、卓球やフィギュア、バスケットボールなど、日本人が世界で活躍する競技の種類が増えてきています。オリンピックでは柔道やスキー競技など、さらに多くの広がりを見せています。世界大会も日本で開催されることが増え、日本は今スポーツビジネスの黄金期に突入しています。本記事ではその市場規模や今後の動向について解説していきます。
成長する日本のスポーツビジネス市場
近年、日本におけるスポーツビジネスは成長を続けています。2015年の日本スポーツ振興センター(JSA)設立を皮切りに、政府は「戦略的官民共同事業10分野」の一つとしてスポーツ産業を成長産業に位置づけ、2016年に国策として位置づけました。JSAは現在、2025年までに5.5兆円から15.2兆円へ、3倍へもの市場拡大を目指しています。
アリーナ新設も続々行われる
日本政策投資銀行は、スポーツ関連市場のうち、施設事業が約4割を占めると試算。これに基づき政府は現在、スタジアムやアリーナの建設・改築に力を入れています。今後20年間で、スタジアムやアリーナの建設・改修の総需要は2兆円以上の市場規模に相当すると試算されています。
新設のアリーナとしては、ラグビーワールドカップ2019のメインスタジアムの1つである岩手県の「釜石鵜住居復興スタジアム(6,000席+仮設10,000席)」、2023年FIBAバスケットボールワールドカップのメインアリーナの1つである「沖縄アリーナ(メインアリーナ:2,600m²)」、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の会場にもなった「有明アリーナ(4,286m²)」、e-Sportsやドローンレースに対応した次世代型スポーツ施設である「TIPSTAR DOME CHIBA(14,400m²)」など全国におよび、その利用目的も多岐にわたっています。
スポーツビジネスの拡大とスポーツエンタメの登場
日本で様々なスポーツが規模拡大を実現するにつれ、関連エンターテイメントも盛り上がっています。例えばブックメーカーが提供するスポーツベッティングもその一つで、日本だけでなく世界中の様々な競技、リーグの試合に対して、「勝敗」だけでなく「点数」や「先取する選手予想」など、いろんな観点でベッティングを楽しむことができます。
そもそも、スポーツ自体もeスポーツという形で、体を動かすだけでなく、バーチャルな世界で展開されるスポーツへと定義が拡大しています。これらの関連エンターテイメント、ビジネスも今後勢いよく拡大していくことが予想されます。
世界から視線を集める日本
2019年のラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ関西など、たくさんの世界大会が日本を舞台に繰り広げられています。世界的なメガスポーツイベントが一国で開催されるこの勢いは、スポーツ黄金期と呼ぶにふさわしく、日本のスポーツビジネス市場は、このような世界的な潮流を最大限に活用するための一例として、世界中から注目されています。
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